さて、名機?ダイソーミリウォッチを機械式にしてしまおうと言う変態カスタマイズプロジェクト。いよいよ完結?
tokeinaut.hatenablog.com
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文字盤・針の加工に続き、今回はケースを加工し、ムーブメントを組み込みます。
前回書いた様にNH35ムーブメント自体の厚さがかなり厚いので何らかの工夫が必要になります。
まずは少しでも薄くする為に自動巻きのローターを外しました。ローターの回転を押さえながら中心のネジを回せば簡単に外れます。
でも、よく見てみるとNH35はローターをネジで留めるのではなくローター軸が雄ネジになっている構造なのでローターを外しても最大の厚みはほとんど減らないんですね、、。
ただ、全体ボリュームはだいぶ減ります。それに、自動巻き機構を残すにはケースにローターが回転する余裕を持たせる必要がありますが、それは到底無理そうです。
そこで今回はローター無しで,手巻き仕様にする事にしました。
この段階でとりあえずムーブメントをケースに収めて裏蓋を閉じてみます。
やはり全く閉まりませんね。ムーブメントの厚み差の1ミリどころでは無さそうです。
裏ブタの方にムーブメントを乗せて見ると、そもそも直径が収まっていませんでした。裏ブタ内径の方がわずかに小さいようです。
ムーブメントに不可逆な加工はしたくないので、裏ブタの内側をカッターの刃の背の部分で削って裏蓋にムーブメントが収まる様にします。
ローター軸との干渉を避ける為にセンター部分も削ってみました。
しかし、蓋を閉めてみても、さっきよりは少しマシですがほとんど改善しません。
どこがどの程度干渉してるかよくわかりませんが、もっと大胆な方法が必要な様です。
そこで、思い切って裏ブタに大きい穴を開けてしまおうと考えました。
穴は何とかして塞げば良いし、干渉の様子を確認しないと対策も打てませんので。
まずは試しにもう一つ持っていた黒のミリウォッチから蓋を取り外して、平面部分を切り抜くような大きい穴を開けてみました。
もしこれでムーブメントを固定することができたら、その上からもう一つの裏ブタを付けて穴を塞いで、見た目はオリジナルに近い感じに出来るかなと。
で、蓋を閉めてみると、、
少し硬かったですがパチンと蓋が閉まり、何とか収まりました。見る限り歯車などの可動部分への干渉もなく、ムーブメントも固定され、問題無く稼働している様子です。いい感じ。
この穴にアクリル板をはめて裏スケ仕様も良いかなと思いましたが、前述のローター軸が真ん中に飛び出していて、窓を付ける厚みの余裕は無さそうです。
やはり元の目標通り出来るだけオリジナルの外観に寄せていく方向でいきましょう。
穴を塞ぐ為に元のグリーンの裏ブタからリブを削り落として、、
とりあえず先程の穴あき蓋に重ねて載せてみます。
うーん、、。もう少し隙間を減らさないと変ですね。
更に皿状に削って行きます。
写真よりはもう少し削って、、、
一体感は少し足りないですが、ひとまずこれで進める事にしました。
実はグリーンのミリウォッチをもう1つ持っているので本番としてグリーンで同様の穴あき蓋を作ろうかとも思いました。
でも隙間の蓋が黒いと、見ようによってはパッキンをかましてる様なミリタリーぽい武骨な雰囲気もあります。それに2枚の蓋を完全に一体に出来ない以上、むしろ黒い方が違和感は感じないかも、、と思い、結局この黒い蓋をそのまま使うことにしました。
オリジナルの外観に近づける目標は、、、妥協します。
さてさて。
とりあえずムーブメントは収まったので、次の難関は巻き芯の位置ですね。
オリジナルのクォーツムーブメントに比べてNH35の巻き芯位置は文字盤からかなり離れています。
そこで巻き芯が刺さるかどうか試しながら穴を下側に少しずつ拡張していきます。
最終的にはここまで広げないと巻き芯が刺さりませんでした。ギリギリですね。パイプ状に本体から飛び出た部分も竜頭と干渉してしまうので削り落とす必要がありました。
さすがにこのままだと巻き芯との隙間がスカスカで防水とかそう言うレベル以前に日常使用にも耐えないと思い、一旦エポキシで穴を全て塞いでからピンバイスで穴を開け直します。
この状態でリューズを押し込むと、リューズのパッキンとケースが一応は接触する様なので、まぁ気休め程度だとは思いますが多少の防水性はあるでしょう。
多少はね。。
巻き芯の位置がだいぶ下にズレたので、このままだと巻き芯が固定用の方の裏ブタのリブに干渉してしまいます。そこで下の様に裏ブタも一部切り欠きました。
竜頭は問題なくNH35巻き芯に移設出来ましたので、巻き芯の長さも調整して、、
組んでみました。
問題無さそうです。
最後に右にある穴塞ぎの用の裏ブタをどうやって固定するか、、。
裏ブタ同士をガッチリ接着してしまっても良いですが、裏蓋の剛性が増して現状でもソコソコ硬い裏ブタの取り外しに支障をきたしそうです。最悪の場合裏蓋を開ける際に裏ブタもしくは本体を割ってしまう危険性があります。それでは分解可能にと言う最初のポリシーに反するので今回は両面テープで貼り付ける事にしました。両面テープなら取り外しの際の裏ブタの歪みを吸収してくれるかな、と。それに全周両面テープで塞げば多少の防水性もあるかと思います。
そして遂に
完成です。
そうです。最初の記事の一枚目の写真と同じです。実はこれは完成写真でした。
左がオリジナル 右が改造後の機械化ミリウォッチです。狙い通り正面からパッと見ただけでは区別つきません。まぁ部品は同じなので当然です。
裏から見ると裏蓋が2重になっているので、さすがに違いはわかってしまいますね。刻印には対応電池の品番が書いてありますが改造後は嘘になってしまいます、もちろん気にしませんけど。
右の改造後は裏蓋が厚くてラグが若干浮いてますのでリューズ位置の差はこの写真よりもう少し大きいです。
ここまでこだわったので当然ベルトもオリジナルで。装着してもこのぐらいの角度から見れば裏蓋二重構造は見えますね。装着感には影響はほとんど感じません。
さて、どうでしょうか。
電池交換が不用とかミリウォッチのあの五月蝿いコチコチ音から解放されると言う実用的な面も一応ありますけど、おそらく常人には何の為の改造かすら理解不能ですよね。
自己満足以外の何物でも無いです。
でも、こんなブログをわざわざ読んでくれている変わり者の皆さんの中には共感してくれる人がいるんじゃ無いかなぁ、、と。
いない??
こう言う馬鹿ばかしいコトを一生懸命やる、趣味とは本来そう言うもんです。きっと。
出来栄えはともかく、作業自体はとても楽しかったです。
裏スケ仕様には少し未練があるので、いつか裏スケに再改造するかも。
ではまた。
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